新渡戸君が非破壊検査資格に挑戦してみた

のんびりいきましょう(新渡戸シリーズ17)

2023秋試験 合格発表

MT2、PT2ともに合格でした。

実際の試験と採点から気になった点を記載しておきます。

【MT2】円筒機械加工部品のTPが変わり難易度が上がった疑惑あり

TP変わっていなくてもTPごとの格差が大きく当たりはずれがある

【PT2】後乳化でTPに水分がついてしまい途中から観察に支障をきたした(ミス)

染色性はどこが減点になったのか不明のまま

PT2 7章 評価と報告

 <講習会のポイント>

観察→解釈→評価

・色覚 赤と緑についての色覚が要求される

・紫外線強度計、照度計 1年に1回校正しなければならない

・照度 人によって適切値が違う

・蛍光 目と試験面の距離25cmが理想

・現像処理 塗膜が出来ているか 厚さ均一、むらなし、損傷なし

・染色は表面で反射、蛍光現像は紫外線透過する(P103)

・現像塗膜(図7.10,7.11 P108)

・失敗例タワリング(P109)

7.2指示模様の解釈

・疑似模様→処理操作のミスにより発生する

 原因1 洗浄不足・・幅広く薄い

 原因2 圧入部、はめあい部

 疑似模様の下に真のきずが隠されていることあり注意

・P112 ①製造時のきず

・i)鋳造品 ブローホール、引け巣(英語シュリンケージ)、コールドシャット、砂かみ

・ii)圧延品 シーム、ラップ

・iii)鍛造品 バースト、白点

iv)溶接 融合不良、溶け込み不良、オーバーラップ

②使用後

a)疲労割れ 直角方向に応力がかかっている ストライエーション

b)応力腐食割れ

(P116)表面加工法による影響 P117同じ欠陥 仕上げが違う

 指示模様の形状から線状、円形の判断さける

7.3指示模様の評価・・(合否)

・寸法測定 サイジング

・指示模様拡大するので実寸は現像落としてルーペで確認

 →実際には指示模様寸法で可(実技試験でも可)

・レベル2の判定は受け入れ基準 外なら不合格としてよい

・きずの処置を指示は不可

・5つの一般原則

 応力が加わる場所の表面割れ

 応力方向に直角

 高い応力部

 割れ、するどい切欠き

 環状に取り巻く帯状の部分

7.4報告 写真、図面 探傷条件

<問題集ポイント>

・目と試験面の距離 遠くても60cm以内

・染色浸透探傷の赤白は色相コントラスト(明度コントラストではない)判読性の順位は3番目、黒/黄、緑/白、赤/白

PT2 6章 探傷試験

<講習会ポイント>

6探傷試験

・試験方法の選定

・適用範囲 P49表6.1

 例)ねじあり、鍛造品は水洗

・操作手順 P51溶剤除去性 染色 速乾性(2)をまず覚える

 前処理→浸透処理→除去処理→現像処理→観察→後処理

・検査の時期と目的 検査結果は定量性に富むものでなければならない

6.2前処理 探傷に適した面→きれいで乾燥に適している

有機質→主に油脂 溶剤

・無機質→ほこり、粘土、泥 ブラッシング

・固形物→さび、酸化スケール ブラスト、酸、アルカリ、グラインダ

・水分 乾燥

6.3浸透処理

(1)浸漬法→(7)排液

(2)スプレー法 (3)刷毛塗り法 (4)注ぎかけ法

(5)シャワー法 (6)静電塗布法

6.3.2温度と浸漬時間

・浸透とぬれは同義語

・10℃~50℃なら10分が一般的 →実技試験は便宜上5分にしている

・4℃以下は浸透速度が低下する(5℃~10℃は2倍にする)

6.4乳化処理

・後乳化は過洗浄が起こりにくい←→水洗性は起こりやすい

6.5洗浄処理

・水洗性浸透液  147~275kPa (1.5~2.8kgf/cm2)

・後乳化性浸透液 196~275kPa (2.0~2.8kgf/cm2)

6.6除去処理 (目的は洗浄と同じ)ウエスを使う

 ウエスに淡いピンク色が残る程度

6.7現像処理 拡大、白のバックグラウンド、10分~1時間

 塗膜が形成されてからがスタート

6.8乾燥処理 水を乾燥 定温で均一に加熱が理想

 試験体表面が50℃を超えない、機内70℃以下

6.9観察 指示の有無を調べる 初期観察、最終観察

 20Lx以下 10W/m2(1000μW/cm2)以上

 50Lx以上 1000K 推奨

6.10再試験 前処理からやりなおし

6.11後処理

6.12PT探傷性能

 材料が幅広い、方向性が無い、形状複雑でも可

 開口してないと×、深さ分からない、手作業

(2)後乳化蛍光 最も検出能力が高い、粗い・複雑形状は難しい

   後乳化染色 日本では採用している現場無し

   水ベース乳化剤のほうが過洗浄になりにくい→よく使われる

(3)溶剤除去性 携帯性 良 Rz50以上は適さない

6.13探傷の実際(P68)

 鋳造品・鍛鋼品・溶接部 a開先面b溶接中c溶接表面

 長さが幅の3倍以上は線状

 手順書より具体的に書いた指示書が必要

 探傷剤 低硫黄、低ハロゲンが指定されることもある(P76)

・定期検査(保守検査)表面開口割れ、繰り返し応力

・溶接 疲労割れ、SCC、クリープ、エロージョン、コロージョン

・水洗性蛍光浸透液 水が入るとゲル化、乳化する

 槽内に水が入らないように注意する

・低温は事前実験+客先承認またはJIS参照

<問題集ポイント>

・油べース乳化剤の乳化現象は、乳化停止するまで起こる

・染色浸透液に乾式現像法は適用不可(白いバックグラウンド必要、現像剤表面に浸透液が到達しない)

・乾式現像法は近接したきずを分離して見分けることができる

・除去処理のあとは加熱乾燥しない。ドライヤーを使うのは前処理の時だけ。

・現像剤の残りは錆の原因になる

・後処理:付着物の残りが有害な影響を与える可能性があればすべて除去する(ひっかけ:どんな場合でもというわけではない)

トリクロロエチレンは酸洗い(蒸気脱脂ではない)

・鋳造品の全面検査には水洗性染色浸透探傷試験の速乾式現像法を採用していることが多い(種々の粗さを持ち洗浄処理が十分に行われない)

・低温下では速乾式現像剤の溶剤揮発低下のため乾燥時間が増加する

 

PT2 4章 装置・器具

<講習会ポイント>

4章 装置・器具
・エアゾール缶 LPG、ジメチルエーテル、CO2
 25℃で294~490kPa(3-5kgf/cm2)
 低温時は30℃以下のぬるま湯で加温してもよい
・熱風循環式乾燥機 設定70℃以下
・乾式現像装置 エアフライング法
・ワイプオフ法(P31) 疑似の確認、綿棒ふき取り、速乾うすく適用
・試験面の照度 500Lx以上
 色調を色温度 2500K以上 3300K以上推奨
 オレンジ色が強いのは×
・紫外線照射装置 315~400nm(A領域紫外線)
 10W/m2(1000μW/cm2)以上
・対比試験片 標準試験片ではない
 1)アルミ焼割れ試験片 タイプ3対比試験片 520~530℃
 2)めっき割れ試験片 タイプ1対比試験片 黄銅、Ni+Crめっき
 3)星状割れ試験片 SUS

 

<問題集ポイント>

・ブラックライト 安定器は電流を一定に保つ

PT2 9章 品質管理

<講習会ポイント>

・管理すべき事項 ①試験設備・装置②探傷剤③試験員④手順書指示書
・試験設備の管理 加温加圧装置・・温度調整した水
・探傷剤の管理 湿式現像剤濃度 60g/lのとき比重1.035 浮秤式比重計
 蛍光:蛍光が無い事(浸透液) 
・乾式現像剤 ×凝固したかたまり、×蛍光・性能 対比試験片
・水ベース乳化剤 濃度計(屈折計)<実87> 水でうすめて使う
 通常15~20%くらい (明日の実習は30%)
・蛍光浸透液 輝度感度、水溶性、水分含有量
・油ベース乳化剤 水洗性、水分含有量、粘度
・エアゾール
・眼の能力 グレースケール 近方視力
・知識と実技能力
・9.5試験工程の管理<P136> 規格・手順書 改廃手続き

<問題集ポイント>

・乾式現像剤 紫外線で過度な蛍光が無いこと(ひっかけ:全くないこと×)

・水ベース乳化剤の濃度は屈折計を用いる