PT2 6章 探傷試験
<講習会ポイント>
6探傷試験
・試験方法の選定
・適用範囲 P49表6.1
例)ねじあり、鍛造品は水洗
・操作手順 P51溶剤除去性 染色 速乾性(2)をまず覚える
前処理→浸透処理→除去処理→現像処理→観察→後処理
・検査の時期と目的 検査結果は定量性に富むものでなければならない
6.2前処理 探傷に適した面→きれいで乾燥に適している
・有機質→主に油脂 溶剤
・無機質→ほこり、粘土、泥 ブラッシング
・固形物→さび、酸化スケール ブラスト、酸、アルカリ、グラインダ
・水分 乾燥
6.3浸透処理
(1)浸漬法→(7)排液
(2)スプレー法 (3)刷毛塗り法 (4)注ぎかけ法
(5)シャワー法 (6)静電塗布法
6.3.2温度と浸漬時間
・浸透とぬれは同義語
・10℃~50℃なら10分が一般的 →実技試験は便宜上5分にしている
・4℃以下は浸透速度が低下する(5℃~10℃は2倍にする)
6.4乳化処理
・後乳化は過洗浄が起こりにくい←→水洗性は起こりやすい
6.5洗浄処理
・水洗性浸透液 147~275kPa (1.5~2.8kgf/cm2)
・後乳化性浸透液 196~275kPa (2.0~2.8kgf/cm2)
6.6除去処理 (目的は洗浄と同じ)ウエスを使う
ウエスに淡いピンク色が残る程度
6.7現像処理 拡大、白のバックグラウンド、10分~1時間
塗膜が形成されてからがスタート
6.8乾燥処理 水を乾燥 定温で均一に加熱が理想
試験体表面が50℃を超えない、機内70℃以下
6.9観察 指示の有無を調べる 初期観察、最終観察
20Lx以下 10W/m2(1000μW/cm2)以上
50Lx以上 1000K 推奨
6.10再試験 前処理からやりなおし
6.11後処理
6.12PT探傷性能
材料が幅広い、方向性が無い、形状複雑でも可
開口してないと×、深さ分からない、手作業
(2)後乳化蛍光 最も検出能力が高い、粗い・複雑形状は難しい
後乳化染色 日本では採用している現場無し
水ベース乳化剤のほうが過洗浄になりにくい→よく使われる
(3)溶剤除去性 携帯性 良 Rz50以上は適さない
6.13探傷の実際(P68)
鋳造品・鍛鋼品・溶接部 a開先面b溶接中c溶接表面
長さが幅の3倍以上は線状
手順書より具体的に書いた指示書が必要
探傷剤 低硫黄、低ハロゲンが指定されることもある(P76)
・定期検査(保守検査)表面開口割れ、繰り返し応力
・溶接 疲労割れ、SCC、クリープ、エロージョン、コロージョン
・水洗性蛍光浸透液 水が入るとゲル化、乳化する
槽内に水が入らないように注意する
・低温は事前実験+客先承認またはJIS参照
<問題集ポイント>
・油べース乳化剤の乳化現象は、乳化停止するまで起こる
・染色浸透液に乾式現像法は適用不可(白いバックグラウンド必要、現像剤表面に浸透液が到達しない)
・乾式現像法は近接したきずを分離して見分けることができる
・除去処理のあとは加熱乾燥しない。ドライヤーを使うのは前処理の時だけ。
・現像剤の残りは錆の原因になる
・後処理:付着物の残りが有害な影響を与える可能性があればすべて除去する(ひっかけ:どんな場合でもというわけではない)
・トリクロロエチレンは酸洗い(蒸気脱脂ではない)
・鋳造品の全面検査には水洗性染色浸透探傷試験の速乾式現像法を採用していることが多い(種々の粗さを持ち洗浄処理が十分に行われない)
・低温下では速乾式現像剤の溶剤揮発低下のため乾燥時間が増加する